勉強しなさい!
子供の頃、親や先生から「勉強しなさい」と言われませんでした?
それで、「よし!勉強するぞ!」とやる気が出たでしょうか?
それとも、「勉強しようと思っていたのに、やる気をなくした!」という風に思ったでしょうか?
おそらく、「勉強しなさいと言われるとやる気をなくした」という経験をお持ちの方が大半だと思います。
実はそれは、人として当然の反応なんです。
私たち人間の心は次のような特徴を持っています。
・強制されるとやる気をなくす(反発する)
・禁止されるとやりたくなる
・欲求や感情を我慢するとより大きくなる
このような心の反応を「心理的リアクタンス」といいます。
この心の仕組みを理解することは、自分の人生を豊かにする上でも、他人との関係性を豊かにする上でも、とても重要なことですので、ぜひ読み進めていただけるとうれしいです。
心理的リアクタンスとは
改めまして、心理的リアクタンスとは、強制されたら反発する、禁止されたらやりたくなる、我慢したら欲求や気持ちがより強くなる、という心理効果です。
(リアクタンス=抵抗)
「勉強しなさい!」と言われたらやる気をなくす、アレです。
「覗いてはいけません」と言われたら覗きたくなる、アレです。
ダイエット中に甘いものを我慢したら無性に食べたくなる、アレです。
誰しも強力に持っているこの本能的な心の働きを、理性で押さえつけようとしても無理です。
無理に押さえつけると悪循環になります。
【ご参考】これだけは避けて!~自己否定の悪循環~
例えば、こんな悪循環
「勉強しなさい!」と言われる
↓
勉強する気を無くす(心理的リアクタンス)
↓
そんなな中で頑張ってやろうとする
↓
「やりたくない」という気持ちを抑える
↓
「やりたくない」という気持ちが強くなる(心理的リアクタンス)
↓
いつか限界を迎える
↓
勉強しない(できない)自分を責める(自己否定)
↓
自己否定が最大のストレス
↓
ストレスは自制心を低下させる
↓
自制心低下でなおさら勉強できなくなる
↓
成績も下がり、勉強もできなくて、さらに自己否定
↓
悪循環
場合によっては、「勉強しなさい!」と強制してくる親に怒りの感情を覚えたり、
その怒りの感情を抑えて(心理的リアクタンス)、心の中で燻らせつつ強くなって、反抗期で爆発したり、
「親に反抗してはいけない」(心理的リアクタンス)と心の中で燻らせつづけて、攻撃性が自分に向いて、鬱や体の痛み内臓疾患や頭痛やめまいとなって、自分自身を攻撃する。
このように、こじらせると非常にやっかいなものなんです。
かつ、とても奥深いものです。
私が「我慢は何も生み出しません」「我慢してはいけません」と常々申し上げているのも、心理的リアクタンスが「必ず」働くからです。
なので、
心理的リアクタンスは上手に使えばいい
子供に「これをやりなさい」と言うと、やる気を失ったり反発する(強制するとやる気をなくす)。
逆に、「これはまだ子供には早い」なんて言われると、子供は興味を持ってしまう。
つまり、「禁止するとやりたくなる」という効果を活用するんです。
このように、心理的リアクタンスは
子供に勉強やお手伝いをしてもらったり、部下やパートナーを思いどおり動かすのに、上手に使うこともできます。
道徳観や「べき論」で、「こうすべき」「こうしなければいけない」「こうしなさい」と伝えると、相手はしぶしぶ言うことを聞いてくれるかもしれませんが、相手は「必ず」怒りや恨みや憎しみを抱きます。
それよりも、心理的リアクタンスを活用して、「あなたにはまだ早いかもしれないけど、これができるとこんないいことがあるよ」みたいな風に伝えると、興味ややる気をもってくれる可能性が高いです。
殺人や革命も心理的リアクタンスが原因
私たち人間は、数十万年間にわたるアフリカのサバンナでの狩猟採集生活に進化のプロセスで複雑な心理的反応を獲得してきました。
とりわけ、心理的リアクタンスのメカニズムは非常に興味深いものです。
上記のように、強制や禁止によってやる気が無くなったり、親に反発したり、それを自分でこじらせて、鬱や体の痛みや内臓疾患や頭痛やめまいを発生する、ということをお伝えしました。
その他にも、「心理的リアクタンス」が起こっていることに気付くことで、厄介な問題を避けたり、自分の身を守ることも可能です。
例えば、
殺人:怒りを抑え込むと、「攻撃性」が増幅します(心理的リアクタンス)。そして、「殺してはいけない」と思えば思うほど殺意が増します(心理的リアクタンス)。
革命:支配者層から抑え込まれると怒りがわきますがそれは支配者層にむけては発散できないので増幅します(心理的リアクタンス)。そして、同胞を募ります。支配者層はそんな動きを封じ込めます。それに反発してますます反乱の機運が高まります(心理的リアクタンス)。
このように、正論やべき論やこちらの都合で、相手に強制や禁止したり、追い込んだりすると、思いがけない反撃にあいます。
お気づきの人もいらっしゃると思いますが、親からの心理的独立は「小さな革命」なんですよね。
「心理的リアクタンス」の理解を深めて、厄介な問題を避けたり、先ほどお伝えしたように、、上手に利用して、他人や自分のコントロールに使っていただけたら、と思います。
とはいえ、この無意識的な心の働きには自分ではなかなか気付けません。
気付くためのノウハウについては、以下の無料動画セミナーで全て語っています。
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