【家庭内モラハラ】の原因と対策~可愛さ余って憎さ百倍の心理学

私たち人間は
モラハラという本能からは逃れられません。

今回は家庭内のモラハラの話。

夫(妻)の発言や行動が許せない!
言うことを聞かない子供にキレてしまう…

なんてことで、
悩んでいる人も多いと思います。

実は、
家庭内や親しい間柄のモラハラって、
「愛情の裏返し」
という側面がある分、
心理的に複雑なんです。

モラハラの根源は一つ(モラル=規範意識)だけど、その現れ方は様々です。

職場などでの
支配欲や承認欲求や地位・政治闘争のモラハラ(やパワハラ)

ルール違反した人への
正義感を発揮したい欲求(正義中毒)によるモラハラ

は分かりやすいけど、
なんで、
家族間でモラハラなんてしてしまうんでしょう?

本来は心の安らぎをを感じるべき家族間で、いがみ合ってしまう。

その原因は「愛情」です。

「可愛さ余って憎さ百倍」
っていうことわざは
人間の心理をうまく表しているんですね。

愛情は
神経伝達物質の「オキシトシン」などによって生まれます。

オキシトシンは
「愛情ホルモン」とも言われていて、

・セックスや分娩
・スキンシップ
・名前を呼び合うこと
・見つめ合いながらの会話

などで
オキシトシンが分泌されます。

また、
誰かと同じ空間に長い時間一緒にいるだけでも、
オキシトシン濃度が高まります。

そして、
オキシトシンによって、
愛着・愛情・絆
のような感情や感覚が生まれます。

一見、
良いことづくめのように思われるかもしれませんが、
そうではありません。

すべてのものには
メリットとデメリットがあります。

オキシトシンのデメリットとして、

愛情を裏切るような行為や、
お互いの信頼を裏切るような人や行為に対して、

攻撃して阻止する
という行動を促進するんです。

それが、
「外集団バイアス」と
「社会的排除」の働きです。

外集団バイアスとは
自分たちの集団に含まれない自分たちと異なる人たちを不当に低くみなす認知バイアスです。
(私たちとあいつら)

社会的排除とは
自分たち(家族や仲間)の中にいながら、
自分たちとは異質な人たちを不当に攻撃したり無視したりして排除すること。
(裏切り者は許さない!)

こうやって考えると、
仲良しグループができて、
その中からハブられる人がうまれて…、
という
イジメの構造が簡単に説明できますよね。

さて、
家族内のモラハラの話でした。

家族内で
このオキシトシンにによる仕組みが働くとき、

親が子供をコントロールしたくなる
(あなたは言うとおりにすればいい、そうするのがあなたのため)

妻が夫を束縛して、
一度決めたルールを乱すことが許せないと感じる
(なんで、何回言っても分かってくれないの!)

夫が妻を支配したくなり、
自分の価値観を押し付けようとする
(そんなの常識、それをするのは当たり前だよね?)

よくあるように、
「子供に家族のルールを逸脱することを許さない」
「妻や夫が好き勝手やることは認めない」
という気持ちになるのは

「愛情ホルモン」であるオキシトシンの作用なんです。

・子供にキレる
・夫婦で言い合う
などというのは、
「客観的な視点からは醜悪な行為」
ですよね。

それなのに、
やっている当人にしてみれば
極めて正当な行動を理由でやっているとしか思っていません。

正当な理由とは
「家庭生活を守らなければ」
「私たちの社会を維持しなければ」
「共同体のルールに従わなければ」
です。

そうやって自己正当化しているので、
なかなか自覚できないし、

たとえ他人から言われても、
いや、
他人から言われれば言われるほど、

言い訳して正当化を強めるので
改善もされません。

モラハラってつまりは
どっちのモラルが正しいかを争っているんです。

本来はモラルって、
自分や相手や仲間を幸せにするために
あるはずのもの。

それを楯に相手を攻撃するなんて、
本末転倒ですよね?

じゃあどうすればいいのか?

つまりは、
本能的な反応に終始しているわけです。

「〇〇すべき」って
一見理性的に思えますけど、

あらゆるモラル(規範意識)は、本能が生み出したものです。

そこに意識を向けないと、
本能に流されてしまい、
現代社会においては不幸になってしまいます。
(心と現代社会のミスマッチ問題)

本能的な反応(モラハラ)に気付いて、
その奥にある思い込み(モラル)に気付いて、
別な選択を「理性的」に行う。

「どっちが正しいか」
「良いか悪いか(善悪)」
「優れているか劣っているか」
「〇〇すべきかどうか」
なんて関係ないです。
↑↑↑
これらが本能的な選択です。
(どっちが上かを争っているか裏切り者を排除しようとしている)

現代を生きる
私たちの幸せは

本能的な反応の
先にあるんじゃなくて、

理性的・主体的・能動的な選択
の先にあります。

なので、
幸せになるためには、

選択の基準が、
道徳感情・規範意識(モラル・すべき)
=「本能」ではなく、

「理性」で選択します。

その選択基準は
これまで繰り返しお伝えしてきたように

自分の人生がより豊かで満ち足りたものになるために「役に立つ」かどうか
です。

モラハラをしそうになったら、
モラハラを受けてツラくなったら、
このことを思い出していただきたいと思います。

(モラハラを受ける側の対策については、また改めてお伝えします)

今回も、とても本質的で大事なことを
お伝えしました。

みなさんの人生がより豊かで満ち足りたものになるために役立てていただけると、うれしいです。


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